当地
野々市市を終の棲家と決め、不動産所得と建築の
契約をして丸10年が過ぎた。
関ケ原以北のアチコチを「捜し歩き」と称しては土さ回りしたが、何故か見ず知らずの北陸で死ぬことになってしまった。契約したのは2011年。後で考えれば、少しでもモタツイテいたら3.11が起こり建築資材等は不足していたであろう。
決めた住処は北陸で、今では市政執行されて「野々市市」となったが、当時は「石川県
石川郡野々市町」であった。ちっぽけなエリアであり、地図を眺めても「そりゃ何処にある」という状態であった。今では「全国の住みたい街」とやらに選ばれるとかで、知る人ぞ知る名前になったらしい。
2011年に「捜し歩き」に来た頃は北陸新幹線は未開通であった。初めて当地を訪れたのは2010年の暮れ12月であった。鎌倉市を立って上越新幹線の越後湯沢駅で乗り継ぐ
北越急行ほくほく線経由で北陸方面への特急「はくたか」号に乗り替えるホームでタバコを吸い溜めする。ほくほく線は
長岡直江津までの殆どがトンネルという印象であった。トンネル区間は少ないのかも知れないが、どんよりとした雪景色を走る車内が照明れていた為なのかもしれない。新潟地震の際には道路側から見た駅舎の景色を電車側から見るのは何とも異次元であった。
低い天井の駅のホームまでが暗い照明の金沢駅に着き、予約していたホテルは駅の目の前だったが、室内は何故かスポット照明が多く、往路のトンネルの延長線のように暗い街という印象であった。その印象は、駅地下の食堂街までも続き、暗い店舗での夕食。
【フルHD】
北越急行ほくほく線 特急「はくたか」4号 金沢行 越後湯沢~直江津 車窓(冬)
さて、閑話休題。
明けて翌日は、金沢駅から2駅目の「
野々市駅」に出向いた。予想はしていものの、国鉄時代の古い駅舎を出ると駅前とは言うものの人っ気は無い。駅の窓口に人の気配は無く、改札口に置かれたダンボール箱に切符を放り込めば下車できる。駅前に広場はあるものの、田舎によく見る何でも店舗もない。駅中にもキオスク的な売店は無いのだから、駅とは言うものの、鉄道が停車するだけの機能しか無い。タクシー乗り場は有るのの、タクシー自体がいない。これでは、この地方で電車の利用者が減ることは当然と言えよう。少ない電車の停車本数とな~んにも無い駅に、何の価値が有るものか。
それでも、待ち合わせした不動産屋が出迎えてくれていた。挨拶もそこそこに不動産屋の車にて目的地に向かったが、交通信号こそ有るものの、道路を走る車両の少なさに驚くやら、嬉しいやら。(2013-10.
野々市駅南口)
あれから10年が経った。市政執行の法的決まりである5万人でスタートした野々市市は2021年12月1日の推計人口では57,734人に増えた。以前は「土地区画整理地」との名称で住所表記の無かったエリアには住所地番が付き真新しい家屋が増えた。新しい道路が出現し、大通りでは小規模ながら渋滞も発生している。以前は天下御免でいつでも横断できた道路は、用心しなければ渡れなくなった。何よりも驚くのは近所のマイカーの数であろう。10年前には助手席の若者がマイカーを持つ年齢に成ったのだろうか。転居間もない頃は1日に数台しか通らなかった我が家の前の最近はなかなか煩い。
後になって知った事だが、北陸は駅を中心とした街づくりではない。JRの野々市駅では通勤時間は15分間隔程度に電車が来るが、それ以外は1時間に2本程度しか停車しない。通過する特急の方が多く、普通列車は遠慮しているのだ。金沢-福井間に新幹線が開通したら在来線にも変化はあるのだろうか。いずれにしても、マイカーを持たない俺が金沢市内に向かう場合は、徒歩5分の国道を15分間隔に走る路線バスが利便が良い。
過去記事:
居住地探し /
東日本大震災から5年 /
大宮暮らしの思い出 /
私の過ごした 0311
(22/01/15 AM、野々市市散歩)
この田んぼでは左義長が行われていた。例年、町内の子供会で各家庭を巡ってはその年飾った門松や注連飾り・書き初めで書いた物を集めて焼いていた。しかし、今年は子供会が来なかった。思えば昨年も来なかったようだ。
はじめて左義長の子供会が来た10年前には、「左義長とは?」であったが、「あぁ、どんど焼き、か~」程度の認識であった。思い起こせば、秋田県鹿角郡に住んでいた頃にウッスラと記憶するだけで、その後は神社等で
御焚上していたので
左義長とは知らなかった。
今日の最高気温は9℃になるとの予報であった。最低気温3℃とのことだが、起床後に気温が上がった気はしない。故郷秋田に続く日本海の鈍色の空は今日も暗い。
それでも積もった雪は今日は溶けてしまうのだろう。大寒は1月20日也。
過去記事:
老後の暮らしは平屋で /
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北陸の珍奇な県域 /
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石川県に へ~ /
北陸の最大都市である金沢市(?) /
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