朝丘雪路氏は82歳で死去(- 2018年4月27日)した。アルツハイマー型認知症であったとのことだ。朝丘氏の死去から約3か月後に、夫の
津川雅彦氏もその後を追うように死去(-2018年8月4日)している。78歳没とのことだ。
津川氏は妻の朝丘氏が逝った際の記者会見で「先立ってくれてよかった」と発言している。聞く人によっては怒るかもしれない言葉であるが、俺には理解できる言葉である。
年上の夫と年若の妻が結婚するという構図が日本には多い。家制度の名残なのだろうか。年長で経験を重ねた男性が、処女の女性を自分好みに育成し子を産ませる。初心な女性を、これまた嫁の身であった母親が家風を教え込む的な構図にも関係するのかも知れない。その辺の邪推は置くが..
姉さん女房の我が家である。結婚する頃に、7歳の歳の差は丁度良いと思えた。子作りをする考えのなかった俺としては、同じような時期に死ぬであろう7歳の歳の差は望ましかった。その頃から半世紀経つが、男女間の死亡年齢の差は昔と変わっていないようだ。日本社会での一般的な夫婦は、男性の方が年長らしい。妻に看取られるという家制度から見ればそれも一理あるのだろう..それはそれとして。
「同じような時期に死ぬであろう」予定であった我ら夫婦だが、誤りであったと思っている..これは俺だけかも知れぬが..
寄る年波とともに、半世紀も前の結婚した頃には思いもしなかった出来事が起こるものだ。特に健康面である...大幅に中略する...
いずれにしても、俺が先立ち、姉さん女房に看取ってもらう予定であった。しかし、予定は未定ということも有り得るかもしれない。となった場合はかなり面倒な事にはなるが..今になっ考えるに、津川氏と同様に「先立ってくれてよかった」と思うだろう。
遺産なんて物は子孫に御任せできる日本社会での一般的な夫婦ならばいざ知らず、半世紀を超えて生きた者の後始末というもの中々の大仕事になるようだ。それなのに、看取りまでしてもらう女将に、後始末まで任せるというのはよろしくない..と思ったりの最近である..いずれにしても、人様の命に手を出すのはよろしくない。
過去記事:
姉さん女房も良いが
40年介護した妻を車いすごと突き落とす 夫に懲役3年の実刑判決 | NHK23/07/18)
およそ40年介護を続けてきた79歳の妻を、去年、神奈川県大磯町の海に車いすごと突き落として殺害したとして、殺人の罪に問われた82歳の夫に対し、横浜地方裁判所小田原支部は「周囲のサポートを拒んでいて、典型的な介護疲れの事案と同視することはできない」などとして、懲役3年の実刑判決を言い渡しました。